《釣り》茨城・那珂湊沖のマダコ 海底小突いて誘い出す 餌木使い手軽に

茨城新聞
2022年8月7日

近年、人気急上昇の「船タコエギ」。今回はこのタコエギを使って船釣り「夏のマダコ」を楽しんできた。釣りの対象として船釣り、堤防釣りともに人気があり、日本人にはなじみの深い食材でもある。

数年前の常磐沖のタコ釣りはタコテンヤという仕掛けにサンマ餌、そしてさおを使わぬ手釣りというスタイルで、11月中旬からシーズンイン。技術的にも少々ハードルの高い釣りという印象があった。

しかしここ数年は夏からが釣期となり、さおとリールを使い、餌木(えぎ)といわれる疑似餌を使ったルアーフィッシングスタイルに変わったことで、エントリーしやすく比較的手軽に楽しめるようになった。

那珂湊漁港に朝4時に集合。とかく釣りの朝は早いが、日中の暑さを考えると合理的だ。その分、沖上がり(釣りの終了時間)も早いので体も楽だ。出港後、約20分でポイントに到着。仕掛けの基本系はタコエギを2個、重りは60~80号を付けたシンプルな物。これを海中に落とし、底で動かしタコを誘う。

小突き、誘い、アワセに最適な複合繊維素材のさおと音でも誘うラトルシェイクタコエギ

 

 

誘いの動作は底を重りでこつこつとたたく、小突くイメージ。これに誘われたタコがエギに抱き付くわけだが、軽快に小突いていた手にずしっとした重みが伝わると、タコが抱き付いた合図。

そのまま1、2、3、と小突いた後にしっかりとアワセを入れるのがこつだ。重みがあればタコがかかり、後は一定のスピードで巻き上げる。魚と違い、ぐいぐいと来る引きもなく、ただただ重いだけ…。だが、なぜか癖になる手応えだ。

夏タコはまだ若く育ち盛りだ。サイズは大きくても1キロ前後。この日も100グラムくらいの小さなタコが釣れてきた。資源保護の面で考えても、食べ応えという点で見てもリリースが望ましい。これからもタコ釣りが楽しめる環境を守りたいと、リリースを推奨する釣り船も多い。釣り場環境は自分たちで守らなければと考えさせられる。

マダコは刺し身、天ぷら、酢の物、しゃぶしゃぶ、たこ焼き等々、食べ方はさまざま。今回キープしたタコは「タコ飯」「たこ焼き」にして食べた。常磐沖のマダコは、味も濃くおいしいと評判が高い。しかも自分で釣ったタコなら格別だ。

これから盛期を迎えるタコ釣りにチャレンジしていただきたい。