器からオブジェ、作品一望 井上雅之さん個展 40年の歩み紹介 茨城県陶芸美術館
茨城県笠間市笠間の県陶芸美術館で11日から、企画展「井上雅之 描くように造る」が始まる。ろくろで成形した器から、板状の粘土を組み合わせた大型のオブジェまで、作品制作40年の歩みを一望できる内容で、企画展示室ほかロビーや屋外など館内各所を活用する大規模な個展となる。10日、関係者を招き内覧会と開会式が開かれた。会期は8月28日まで。
日本現代陶芸の第一人者、井上雅之さん(64)=多摩美術大教授=は兵庫県神戸市生まれ。1992年から石岡市に工房を構え、県内外で幅広く作品を発表している。今回の企画展では82年から近作までの作品70点を出品した。
見どころは、井上さんのダイナミックな作風だ。板状の粘土をブロックのように積み上げたり、金具を使ってパーツを組み合わせるなど、モチーフを特定せず自由な発想で仕上げている。幅16メートルを超えるものや、高さ7メートルに及ぶ筒のような作品など、質感、色合いの違いや、迫力たっぷりの形状を鑑賞できる。
10日、開会式と内覧会が開かれ、井上さんは「作風は変化したが、目の前にある存在に反応し、形にすることを変わらず続けてきた。自身の歩みを振り返り、次につながる展覧会になった」などと感想を述べた。
午前9時半~午後5時。一般840円、70歳以上420円、高大生630円、小中生320円。休館は月曜(7月18日、8月15日は開館)と7月19日。問い合わせは同館(電)0296(70)0011。