人工雲海 至福の夜景 群馬県渋川市のグランピング施設

上毛新聞
2022年3月22日

群馬県渋川市北橘町の日帰り温泉施設「Komorebiテラスばんどうのゆ」の敷地内に4月15日、グランピング施設がオープンする。手掛けるのは前橋市の伸栄建窓(竹内紀美代社長)で、関東平野の夜景が楽しめる特長を生かし、人工的に雲海を作る演出を計画する。渋川市の高木勉市長は「市に新たな魅力が加わる」と期待を寄せる。

同社によると、テントはドーム型で直径7㍍(4~6人用)と同5㍍(2、3人用)の2種類を計8基用意する。気象条件が良ければ足元を覆う〝雲〟を人工的に発生させて青い光でライトアップ。テントの窓から見て手前に〝海〟、奥に夜景が広がる景色を作る計画だ。

宿泊料は飲食費や隣接する温泉の利用料などを含め、大人1人2万5千~3万5千円程度を想定。小学生9千円、5歳以下は無料とする方針で、子ども連れのファミリー層も呼び込みたい考え。施設名は「至福の楽園」の意味を込めて「ブリスフル・ガーデン」とする。

雲海発生装置の導入資金をクラウドファンディングで募ったところ、目標の130%超の400万円以上が86人から寄せられた。竹内佳生総支配人は「ここでなければ見られない景色をつくり、群馬を代表する施設にしたい」と意気込む。

住宅建築棟数が先細りする中、同社は新たな経営の柱を確保するため、グランピング施設運営への参入を決めた。ポストコロナに対応する企業を支援する経済産業省の「事業再構築補助金」を活用する。

同温泉は旧市営。財政負担軽減のために民営化され、昨年12月から伊香保の温泉旅館を経営する「玉樹」が運営している。