生誕140年記念 雨情展 童心の詩人と終焉の地・宇都宮 自筆原稿や書など紹介 県立博物館で来月13日まで

下野新聞
2022年1月27日

 【宇都宮】日本の三大童謡詩人の一人、野口雨情(のぐちうじょう)の生誕140年を記念した県立博物館のテーマ展「野口雨情~童心の詩人と終焉(しゅうえん)の地・宇都宮」が2月13日まで、同館で開かれている。エントランスでは昨年再結成した雨情の顕彰団体「宇都宮雨情会」によるパネル展示も行われている。

 雨情は1882年、茨城県北中郷村(現北茨城市磯原町)生まれ。1944年、療養のため鶴田町に移り住み、翌年に同所で亡くなった。今年は雨情の生誕140年に当たる。

 同館は雨情の親族から昨年、寄託を受けた自筆原稿や書など遺品約2500点の展示を企画。「十五夜お月さん」、未発表の「焦土の帝都」の生原稿など117点をテーマ展で紹介している。そのうち30点が初公開。そのほか、帽子やかばん、筆などの愛用品もあり、雨情の面影をしのばせる内容となっている。

 同館エントランスのパネル展では、同会の学習活動や国登録有形文化財である鶴田町の雨情の旧居、歌碑の写真などを盛り込んだパネル5枚を展示している。

 同会は1960年に結成。会員の高齢化などで90年以降は活動を休止していた。昨年、雨情終えんの地である明保地区の有志が、市の「市民遺産」認定を目指して再結成した。

 同会の島田弘二(しまだひろじ)会長(79)は「良いタイミングで協力できた」と話す。

 同館学芸部の小柳真弓(こやなぎまゆみ)さん(43)は「(同会の協力は)地元の人たちの雨情に対する熱い気持ちを感じる。改めて雨情の最後の土地が宇都宮であったことを多くの人に知ってほしい」と話している。

 テーマ展は一般260円、大学・高校生120円、中学生以下無料。午前9時半~午後5時(入館は4時半)。月曜、祝日翌日の平日は休館。(問)同館028・634・1311。