茨城町お土産「マチノハーブティー」、滑り出し上々 生産者、町支援者で開発
茨城県茨城町の新しい土産品として、町公式ファンクラブ「いば3ふるさとサポーターズクラブ」と「涸沼ハーブの里」(同町下石崎、児玉正輝代表)が共同で開発した「MACHINO HERBTEA(マチノハーブティー)」(1500円)の売れ行きが好調だ。11月1日に町内と水戸市内の18店で限定300組を発売したが、1カ月たたずに売り切れる店が町内で続出したため、100組の追加販売を決めた。町のふるさと納税の返礼品に50組を用意することになり、滑り出しは上々だ。
ハーブティーは町の「水」「緑」「土」をイメージした3種のオリジナルブレンドセット。涸沼のほとりで20種以上のハーブを1人で生産する児玉さん(65)が製造する。開発に当たっては全国に約900人いるファンクラブ会員らが約1年かけ、配合調整から包装のデザインまでこだわった。水色と黄緑、茶色のかわいらしい三つのブリキ缶(直径7センチ、高さ4・5センチ)の中に、2グラムのティーバッグが3袋ずつ入って、スイーツ店やパン販売店、カフェ、レストラン、土産品店の店頭で売っている。
3種の風味や香りは、それぞれ町の景色をイメージして配合。涸沼湖畔の景色や豊富な水源の「Waters」(レモングラス、パセリ、ペパーミント)▽広がる田園や里山の緑の「Greens」(アップルミント、シソ、ラベンダー)▽畑の恵みや土の香りの「Soils」(セージ、バジル、マジョラム)-がある。児玉さんは「シソやパセリなどらしくないものも入っているが、味はしっかりしていて、飲みやすい」と話す。
味や香りは会員らが初めにシングルのハーブティーを18種味わい、模索。配合やデザインなどは中心となった10人前後が会員制交流サイト(SNS)で会議や打ち合わせを12回開き、その模様をSNSで配信するなどして会員から意見を募った。最終的に試飲用サンプル1種を全国の会員に配って感想を募り、完成にこぎ着けた。
事務局の町秘書広聴課によると、ファンクラブは町の魅力をPRしてもらおうと、2017年に開設。会員は年に1回、町内に集まって農作業体験などを通して親睦を深めてきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で会合が開けなくなる中、「何か町を知ってもらう土産品がないか」という声が上がったのが開発のきっかけだったという。