5色のミニトマト 常総の「大地」 ジュースで知事賞

茨城新聞
2016年1月20日

トマトとイチゴの栽培や6次産業化事業に力を入れている常総市本石下の「大地」(吉原将成社長)は、自社生産した5種類のミニトマトを活用したジュースで、本年度の県農産加工品コンクール最優秀賞(知事賞)を受賞した。昨年9月の台風18号による大雨被害を乗り越え、吉原社長は「社員にとっても励みになる賞を頂いた。イチゴの加工品や県産農産物の加工もしていきたい」と今後の事業拡大に向け意欲を見せている。

受賞したのは「大地のミニトマトジュース Sun pallet(サンパレット)」。彩りも鮮やかで赤、だいだい、黄、緑、紫の5色のミニトマトを使用する。原料は外部委託で冷凍保存し、年中供給できるのも強み。同社加工所で1回の工程で240本分を生産する。
1本当たり24個分のミニトマトを使用し、濃厚な味わいが特徴。小窓からミニトマトがのぞくようなラベルのデザインにもこだわった。2014年6月に販売を開始し、主に贈答用として順調に売り上げを伸ばしている。
吉原社長は「品種によって水分量も異なるので均一化を図るのが難しい。トマトは分離しやすいので、煮込み時間の調整に気を使っている」と話す。
今コンクールでは、甘味と酸味のバランスが良く、料理の材料としても使用できることや、見た目にも美しいデザイン性、飲み比べもできるなど他の類似商品にはない差別化が図られていることなどが高評価された。同社は13年度にもトマトジュース「大地のご褒美」で優秀賞を受賞しており、2度目の受賞となった。
同社は常総、下妻両市に2カ所の圃場(ほじょう)を構え、イチゴの観光農園の運営やトマト、ミニトマトなどを栽培している。12年には6次産業化の事業認定も受けており、開発商品は同社直営の農産物直売所「みんなの市場」で販売されている。またホームページを刷新し、インターネット販売も強化するという。
昨年12月には加工所に大鍋や搾汁機を増設し、生産量が倍増。吉原社長は「自社商品だけでなく、来年度中には他の県産農産物の加工にも挑戦してみたい」と話した。

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