梅ようかんで茨城の空表現 大洗・老舗梅干し店吉田屋 菓子製造に参入、2種類発売

老舗梅干し店の吉田屋(茨城県大洗町、大山壮郎社長)が菓子製造に参入し、茨城の空の情景を表現した梅ようかん2種類を発売した。梅ゼリーとようかんの2層になっており、若い世代にも和菓子を楽しんでもらえるよう、写真映えする見た目にこだわった。「ネオ梅ようかん」と銘打ち直営店やウェブで販売しており、6月2日からはサービスエリア(SA)や駅の土産店でも取り扱う。
商品名は「IBARAKI UME YOKAN」。味は澄み渡った空を表現した「澄清(ちょうせい)」と、始まりの朝焼けをイメージした「暁」の2種類を用意した。

吉田屋が発売した「IBARAKI UME YOKAN」。写真映えするパッケージにもこだわった
澄清は梅の味がしっかりと出る青梅シロップを使い、酸味のある爽やかな味に仕上げた。暁は梅とスモモをかけ合わせた露茜(つゆあかね)という品種のシロップで、フルーティーで甘みが強い。
ようかんは、生あんに淡路島産のサトウキビを合わせ、甘さを控えめにした。ゼリーも梅シロップと寒天のみで作り、無添加にこだわる。
大山社長は「2層の接着に苦戦した」と明かし、「(ようかんとゼリーの)どちら側から食べるかによって、味わいの違いも楽しめる」と話す。
同社は今回、初めて菓子製造に挑戦した。背景には大山社長が目指す「梅のある暮らし」がある。「お菓子は人々の生活に取り入れやすく、反響も多い」(大山社長)。昨年9月に開発に着手、約8カ月で完成させた。
若い世代にも手に取ってもらえるよう、透明感があり、写真映えする見た目やパッケージにもこだわった。
華やかな見た目が特徴で、若い世代から注目を集める「ネオ和菓子」としても同商品をアピールしていきたい考えだ。
すでに同社の直営店舗やウェブで販売を開始し、6月2日からは友部SAや笠間SA、JR水戸駅の土産店などでも販売する。価格は一つ900円(税別)。
大山社長は「自慢できる茨城のお菓子を目指している。手土産にして、茨城には梅があることを、広めてもらいたい」と話し、今後の展開に期待している。