音楽と地域愛し50年 栃木フィルハーモニー 6日、節目の定演
【栃木】市民オーケストラ「栃木フィルハーモニー交響楽団」が今年で結成50年を迎えた。「地域の生活に根差したオーケストラ」として活動を続け半世紀。団員が減少して苦しい時期もあったが、音楽を愛する熱い思いを共有し、年1回の定期演奏会などを行ってきた。節目となる第50回定期演奏会は11月6日、とちぎ岩下の新生姜(しょうが)ホールで開かれる。
同楽団は1971年、栃木南中のオーケストラ部OBらが結成した。当時、市内で活動するオーケストラ団体はなく、地域に根差した音楽活動を目指した。週1回の練習と毎年の定期演奏会のほか、合宿や音楽教室なども行ってきた。
団員は当初約40人だったが、結成から10数年たった頃、10人程度まで減少した。「勧誘はしない」ことが一因だったという。活動の継続が危ぶまれたが、結成メンバーの一人である殿塚治(とのつかおさむ)団長(71)は「音楽に対する強い思いを持ち、自ら入団を申し出てくれる人を待った」と振り返る。
現在は大学生から75歳までの約40人が所属。楽器の扱いに慣れない初心者や音大出身者らさまざまな人がいるが、全員が「音楽と一生付き合っていきたい」という熱い思いを持っている。
殿塚団長は、半世紀にわたって活動を続けられた理由について、「音楽に対する団員の思いと、無理なく続けられる環境」を挙げる。今後は「団員同士で協力し、変わらず活動を続けたい」と語った。
11月6日の第50回定期演奏会は午後2時半開演。新型コロナウイルス感染症に立ち向かう医療従事者ら多くの“英雄”にささげるプログラムとした。バレエ音楽「プロメテウスの創造物」やベートーベンの交響曲第3番「英雄」などを演奏する。入場料千円(前売りのみ)。同ホールで購入するか電話で申し込む。(問)殿塚団長0282・24・2161。