茨城の魅力、一冊に 「だっぺ帝国の逆襲」ウェブ連載単行本化 方言や小ネタ満載

茨城新聞
2021年10月25日

他県に負けない魅力があるにもかかわらず、民間調査会社の都道府県別魅力度ランキングで再び最下位に転落-。そんな茨城県の魅力を漫画と文章でコミカルに紹介した「だっぺ帝国の逆襲」(小学館)が今月6日に出版された。茨城の魅力が詰まった一冊となっており、地元住民すら知らなかった新たな魅力も発見できそうだ。

作品は東京からUターンして県庁に転職した「袋田ダイゴ」が主人公。架空の部署「県庁第二観光課」を舞台に、茨城の魅力向上を狙った「茨城再生プロジェクト」の推進を任され、奔走する姿を描いている。

小学館のウェブマガジンで連載が始まり、新たなエピソードを加えて単行本化された。大子町出身の漫画家、佐藤ダインさんが絵を担当し、郷土研究家でウェブサイト「茨城王(イバラキング)」を主宰する青木智也さん(48)=常総市出身=が監修した。

作品内では架空のプロジェクトを描きつつ、茨城県内の方言、用語を紹介した「だっぺディア」を収録。北海道に本社を置くコンビニ「セイコーマート」が、前業態からのつながりを理由に道外では茨城県内に多いことや、歴史や観光地の紹介、農産物生産量の解説など、さまざまな視点から茨城の魅力を引き出している。

一方で、「『いばらき』ではなく『いばらぎ』と言われてしまう」、交差点を右折する際、信号が赤から青に切り替わる瞬間に急発進して対向車より先に右折する「茨城ダッシュ」といった、茨城県ならではの日常生活のエピソードも盛り込んでいる。小学館の担当者は「随所に小ネタをちりばめた。全国の人に読んでもらい、魅力を知ってほしい」と話す。

青木さんは18日、常総市役所に神達岳志市長を表敬訪問し、「最初のころは最下位であることを(魅力度向上に)活用しようという時期もあった。最近はランキング自体が下火になっている感じもする。さまざまな視点のランキングを作り、新たな魅力を見いだせたら面白い」と話した。