常陸太田「地元三十六景」 人物や風景 市民の版画
常陸太田市金砂郷地区を中心に展開中の版画ワークショップ「地元三十六景」の作品展示が、同市高柿町の市金砂郷支所の会議室で始まった。人物や風景、食べ物など参加者一人一人が版画で表現した〝地元のお気に入り〟が勢ぞろい。10月末に始まるイベント「ヒタチオオタ芸術会議」の開幕前の先行企画で、仕掛け人の市地域おこし協力隊アーティスト隊員の渡部智穂さんは「地域の人が作った力作を見に来てほしい」と話している。
「地元三十六景」は参加者が風景や人物など「自分だけのお気に入り」の版画を作り、市内外にPRしていくプロジェクト。6月に本格始動し、これまで子どもからお年寄りまで幅広い年代の市民らが版画作りに挑戦してきた。
会場には約50点の意欲作を展示。身近な里山風景、竜神峡や鯨ケ丘などの名所、名物の常陸秋そば、大好きなお祭りやカブトムシ、サッカーに打ち込む自分の姿など「十人十色の個性あふれる作品が大集合した」(渡部さん)。色彩も落ち着いたものからカラフルなものまで多種多様な仕上がり。
展示レイアウトにも一工夫を凝らした。会議室を取り巻くように四方の壁に張り巡らされた版画作品の中に、バスや軽トラックを描き、「みんなが作ってくれた『お気に入り』を景色に見立て、乗り物に乗って見て回るイメージに仕上げた」と渡部さん。温かみのある360度の〝絶景〟が広がる。
同芸術会議の本番に向け、地元の食堂やJR常陸太田駅にも順次、作品を展示していく予定。渡部さんは「ほとんどの人が版画初体験。それでも頑張って作品作りに打ち込み、想像以上に素晴らしい力作がそろった。一見の価値あり」と来場を呼び掛けている。
作品展示は12月6日まで。午前8時半から午後5時15分まで。土日祝日休み。問い合わせは市金砂郷地域振興課(電)0294(76)2111または市少子化・人口減少対策課(電)0294(72)3111。
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