青パパイア 出荷最盛期 就農した昨年の6倍 400本を栽培

上毛新聞
2021年10月5日

 群馬県富岡市黒川の「よしおか農園」で、青パパイアの出荷が最盛期を迎えた。昨年3月に市職員を早期退職し、妻の実家で就農した藤間和彦さん(52)が、畑に植えた400本の木々と向き合っている=写真

 熱帯原産の青パパイアは、脂質・タンパク質・糖質の三大要素を分解する酵素のほか、ビタミンやミネラルなども豊富で健康維持に良いとされる。

 藤間さんは就農した昨年4月、市内2カ所にある計2000平方メートルほどの畑に72本の苗を植えた。他の作物より栽培に手間がかからず、収穫作業に追われないことが理由だった。

 高さ約20センチの苗は、みるみる2.5メートルほどに成長。秋に収穫した実を西毛地域のスーパーなどで販売した。「10個の日もあれば1個の日もあったが、確かに手応えがあった」と1年目を振り返る。

 2年目の今年は、農園の看板商品である下仁田ねぎの作付面積を減らし、青パパイアを昨年の約6倍となる400本まで増やした。

 思い切った投資には訳がある。これまで農園を営んできた義父母は80代。同園の収益の柱は下仁田ねぎとショウガだが、「人件費を増やさずに将来一人でも収益を伸ばせる方法を考えた」。

 本数が増えた分、販路も広げている。今年は先月までに、西毛地域にある計3カ所のスーパーや直売所と新たに契約を結んだ。出荷は11月上旬ごろまで続く。「収益がどれくらい伸びるのか。成果が分かる年末が楽しみ」と話す。(黒沢豊)