種類豊富 気分に合わせて 御菓子処 美月堂(いちょう通り) 吉川崇夫さん(72)

下野新聞
2021年7月18日

 創業は107年前の大正3(1914)年。塩谷出身の祖父母が開きました。昭和20年代にいちょう通りの拡幅工事が行われる前までは、通りの北側にありました。

 毎朝4時半に起き、4代目となる娘と朝生菓子などを作っています。品ぞろえは、お茶で使う上生菓子やどら焼きなど30~40種類。市出身の初代横綱明石志賀之助(あかししがのすけ)にちなんだ「横綱どら焼 明石太鼓」は、全国菓子博で厚労大臣賞を受賞した自信作です。

 夏は「水ようかん」「水まんじゅう」、秋は「芋ようかん」など、季節感を味わうことができるのも和菓子のいいところ。今は、バターどら焼きなどコーヒーや紅茶に合う商品も置いています。その日の気分で買って楽しんでほしいですね。

 私が若い頃は、「子どもが生まれたら誕生餅」「祝い事にはお赤飯」と、和菓子店が生活に密着していました。今は少子化になり、スーパーやコンビニで和菓子を手軽に買える時代。新型コロナウイルスの感染拡大で催事の出品もできず、和菓子屋にとって厳しい時代ですが、店を代表する新商品作りに励んでいきたいです。

 「いちょう通り」で思い浮かぶのは、朝夕の交通量の多さ。今も車の量は多いですが、これでも平成通りができたことで少し減ったんです。かつて、中央郵便局の場所には済生会宇都宮病院があり、店は病院帰りの客でにぎわいました。

 【メモ】宇都宮市中央2の2の7。(問)028・633・2922▽営業時間 午前8時~午後7時▽定休日 日曜▽一押し商品 横綱どら焼 明石太鼓▽宇都宮を一言で言うと 楽しい街

地図を開く 近くのニュース