古地図で知る暮らし 茨城県立歴史館で企画展 測量技術の変遷紹介
古地図を通して、人々の暮らしや測量技術の歴史を振り返る企画展「絵図・地図・アーカイブ図-描かれた茨城の都市と村-」が、水戸市緑町の県立歴史館で開かれている。江戸時代の国絵図から現代の鳥瞰(ちょうかん)動画まで、茨城県の姿を正確に捉え、表現しようとする手法の変遷が楽しめる。
会場に並ぶのは、同館所蔵を中心とした66点。間宮林蔵や長久保赤水、飯塚伊賀七といった地理学者や測量家が活躍し、絵図が盛んに作られた江戸時代を中心に、西欧の測量技術が導入された明治以降の精密な地図まで、6章に分けて紹介されている。
初公開となる縦3.5メートル、横5.5メートルの「常州茨城郡成沢村一郷絵図」は現在の水戸市内の様子が描かれ、迫力たっぷり。絵図の中に、約100年にわたる土地の用途や所有者の変遷、建築物などが書き込まれている。長久保赤水関連資料からはマット型の「改正日本輿地路程全図」が床に敷かれ、上に乗って細部を眺めることができる。
同館行政資料課長の長谷川拓也さんは「地図は場所を示す以外にも、当時の暮らしを知る手掛かりになる。最新の測量技術と合わせて楽しんでほしい」と話している。
会期は9月5日まで。午前9時30分から午後5時。月曜休館。料金は一般350円、大学生180円、満70歳以上170円、高校生以下無料。問い合わせは同館(電)029(225)4425。
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