こだわりの絵本、一堂に 童画の先駆者・武井武雄展 茨城県近代美術館

茨城新聞
2021年7月7日

大正から昭和初期にかけ活躍した童画の先駆者、武井武雄の小型絵本を一堂に集めた「武井武雄 刊本作品の世界」が水戸市千波町の県近代美術館で開かれている。物語や絵に加え、技法や素材、装丁にこだわり抜いた「本の宝石」と呼ばれる数々を紹介。美しさと、仕上がりを支えた技術の高さが楽しめる。9月12日まで。

会場には、1935(昭和10)年の「十二支絵本」から、83(同58)年の「天竺の鳥」まで、武井が手掛けた全139点のうち、125点を展示。いずれも洗練された絵やデザインに合わせ、さまざまな技法を駆使して作られた。木版や陶版、寄せ木、アップリケ、ガラス絵など、手作業ならではの魅力が詰まっている。

同館学芸員の永松左知さんは、「ユーモアと開拓精神で自らの創作を追求した(武井の)意志の強さや、作品へのこだわりを感じてほしい」と話している。

7月10日午後2時から、同館地階講堂で「ミクロの眼で見る武井武雄の刊本作品」を開催。茨城大学教育学部の島田裕之教授が制作過程や魅力を紹介する。無料、先着80人。来館、はがき、メールで申し込む。academy@modernart.museum.ibk.ed.jp。問い合わせは同館(電)029(243)5111

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