多彩な表情のシーサー 笠間工芸の丘で企画展 器類や八郷の鬼瓦も 8月1日まで

茨城新聞
2021年7月2日

魔よけとして知られる沖縄の獣像シーサーや「やちむん」と呼ばれる沖縄の焼き物、石岡・八郷の鬼瓦などを集めた企画展が、茨城県笠間市笠間の笠間工芸の丘クラフトギャラリーIIで開かれている。多彩な表情のシーサーをはじめ、花や魚を描いた器類など約1100点が展示され、会場は南国さながらの雰囲気を醸し出している。

2019年の「シーサーと鬼瓦展~沖縄と笠間のそら~」に続く今展は、沖縄県読谷村観光課、クラフトフェア沖縄事務局の協力を得、現地の窯元から16人の作家が出品した。加えて今回も八郷瓦の伝統を守る桜井瓦工業(石岡市)から鬼瓦など35点が寄せられた。

沖縄のシーサーは、こま犬や阿吽(あうん)の像と同様、口が開いている雄(陽)と口が閉じている雌(陰)が一対となり、邪気から家を守るといわれている。

会場内の守護神たちは、雄と雌や親子で対を成し、姿も威嚇したり、ほほ笑んだりと多彩な表情を見せる。また、うわぐすりや焼成方法もバラエティーに富み、作家の個性も楽しむことができる。

沖縄の暮らしに根付く、やちむんは、ぽってりと厚い形状に力強い絵付けが特徴。展示作品には、デイゴや生き物が描かれ、南国ムードが漂う。金城陶器・秀陶房(沖縄県南城市)の大皿は、線彫りによる魚紋が大胆に表現され、沖縄の海を感じさせる。

同社営業部の河原正典部長(48)は「沖縄を扱った本展は、コロナ禍により2年ぶりの開催となった。感染予防のため、実際の旅行は難しいが、作品を通じて南国の風を味わっていただければ」と呼び掛けている。

会期は8月1日まで。月曜休館。

問い合わせは笠間工芸の丘(電)0296(70)1313

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