水戸城跡の景観整備 二の丸角櫓が完成、公開始まる

茨城新聞
2021年6月28日

水戸市三の丸に市が復元した水戸城二の丸角櫓(すみやぐら)の完成記念式典が26日、市立第二中学校体育館と現地で開かれた。大手門に続く歴史的建造物の復元で、テープカットなどを行い、関係者や地元住民らが待望の角櫓の完成を祝った。

歴史文化財課によると、水戸城には四つの角櫓があり、復元したのは二の丸南西角の二の丸角櫓。水戸藩の開藩後間もなく建てられたが、1776年に焼失。後に再建され、明治時代を迎えた。いつ頃失われたか明確には伝わっていないが、同時代のうちに解体されたと考えられている。

角櫓は歴史的資料や時代考証を重ねて当時と同じ姿や規模で復元した。幅約15.7メートル、高さ約9.6メートルで、中央の角櫓と、北側と東側に接続する二つの多聞櫓で構成。2018年3月に着工し、20年10月に復元が完了した。大手門と接続する白壁土塀も整備された。

水戸二中で行われた式典では、生徒がソーラン節など踊りを披露し、式典に花を添えた。高橋靖市長は「市民の皆さまに水戸の歴史を知って、発信してもらうことで、多くの人に来場してほしい。観光振興や経済活性化につなげる思いで、いろんな仕掛けをしていきたい」とあいさつした。

その後、現地で高橋市長らがテープカット。角櫓内部の見学も行われた。三の丸自治コミュニティ連合会の渡辺政明会長は「やっと出来上がったと、みんな誇りに思っている。改めて水戸藩が御三家の一つだったと強く感じる。子どもたちにしっかり伝えることが願いだ」と話した。

二の丸角櫓は、27日から一般公開が始まった。開館時間は午前9時半~午後4時。入館料無料。

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