水戸城二の丸角櫓、27日から公開 「大手門の扉」も

茨城新聞
2021年6月14日

水戸市三の丸に市が復元した水戸城二の丸角櫓(すみやぐら)が27日から一般公開される。内部は復元過程を示した展示室となっており、水戸城跡周辺の歴史的景観整備のきっかけとなった「大手門の扉」と伝わる門扉も展示。門扉は約12年ぶりに市民の目に触れることになる。

市歴史文化財課によると、角櫓は木造2階建て。高さ約9.6メートル、延べ床面積約128平方メートル。茨城大付属小敷地の南西角にあり、同じく復元された白壁土塀(高さ約2.2メートル、延長437メートル)で大手門とつながっている。

1階内部は展示室(約112平方メートル)となっており、水戸城の歴史を解説するパネルや大手門と角櫓の復元の記録映像、発掘調査による出土品などを展示している。

門扉は「水戸城大手門の扉」と伝わり、坂東市の寺院「万蔵院」から市に寄贈された。両開き門扉の左扉(木製、高さ約2.65メートル、幅約1.47メートル)で、大手門ではなく、水戸城のどこかで使われていたと判明。2009年以来、市民の目に触れることなく保管されてきた。

史実では、水戸城には角櫓が計4カ所あった。市は14年に策定した弘道館・水戸城跡周辺地区の歴史まちづくり基本構想によって、JR水戸駅を発着点に回遊できる観光地づくりを目指した。二の丸角櫓は同駅から視認できる唯一の復元建築物で、観光ルートの「水戸学の道」に誘導させる狙いがある。

角櫓に至る通路(約370メートル)が茨城大付属小・幼稚園と県立水戸三高の間に開通するのを待ち、一般に公開される。開館時間は午前9時半~午後4時まで。入館は無料。休館は年末年始。

延期されていた角櫓の完成記念式典は26日午後、市立第二中学校体育館と現地であり、関係機関や一枚瓦城主寄付金高額寄付者らを招いてテープカットなどが行われる。

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