アバター男女が笠間観光案内 市、6月から試験運用

茨城新聞
2021年5月31日

茨城県笠間市は、デジタルサイネージ(電子看板)と遠隔受け付けシステムを組み合わせたバーチャル(仮想)観光案内を県内で初めて実施する。遠隔地にいる案内スタッフのアバター(分身)が画面に現われ、利用者と対話しながら観光スポットなどを紹介する。市は、9月に開業予定の「道の駅かさま」での本格導入を見据え、6月1日から市内2カ所で試験運用する。

バーチャル観光案内の実現に向けて、市はスマートシティ化を目的に昨年協定を結んだNTT東日本と、総合ビルメンテナンスの大成(名古屋市)から協力を得て本システムを構築した。

使用するデジタルサイネージでは通常、市内の名所や旧跡を紹介する動画などを放映。利用者がサイネージ画面の呼び出しボタンにタッチすると、笠間観光協会など遠隔地にいる案内スタッフのアバターがサイネージ画面に表示される。サイネージには小型カメラが据え付けられ、案内スタッフは利用者の様子を確認し、アバターを介して観光案内などを行う。

アバターは、案内スタッフに合わせて男女2人を設定。このうち女性のアバターは大成の社員をモデルにコンピューターグラフィックスで制作した。時折まばたきをしたり、利用者の言葉に合わせてほほ笑むなど、人と同じような表情を見せる。本格導入される「道の駅かさま」では、笠間市オリジナルのアバターが登場するという。

市観光課は「遠隔地にいる案内スタッフが利用者の顔を確認しながら対話できるのが特徴。利用者の年齢や人数に応じ柔軟なコミュニケーションを取ることを目指している。笠間の魅力を発信する新たな手段になれば」と期待を寄せる。

デジタルサイネージは笠間工芸の丘(同市笠間)とエトワ笠間(同市上郷)の市内2カ所に設置され、6月1日から1カ月間、試験運用される。

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