住民の力集めた シャクナゲ見頃 足利・下濁沼自治会 荒れ地整備、費用出し合い 憩いの場、定着目指す

下野新聞
2021年5月11日

 【足利】小俣町の今宮神社境内で下濁沼(にごりぬま)町自治会(大川定夫(おおかわさだお)会長)が植樹したシャクナゲ約160本が見頃を迎えた。やぶが生い茂りイノシシやアナグマも出没していた境内を住民らが整地し、憩いの場に生まれ変わらせた。

 同自治会は休耕田や用水路沿いにシダレザクラやカラーを植樹するなど、住民が継続して地域の景観整備に取り組んでいる。

 境内の整地は昨年9月に着手。祭典委員長の同所、無職田島秀道(たじまひでみち)さん(72)、同副委員長の同所、無職片山一雄(かたやまかずお)さん(72)らが中心となって、約半年をかけて杉林に絡むフジのツルを払い、2メートルを超すシノダケや雑木も刈って整地した。

 苗木は今年3月中旬、同所、無職宮本勝勇(みやもとまさお)さん(78)が私財を投じて取り寄せたものを試験的に植樹した。根付くことが確認できたため、近隣住民が費用を出し合い、コロナ終息などを祈願した同神社への「奉納」という形で苗木を次々と植樹。祈祷(きとう)を経た一本一本は参道脇の斜面を覆い、5月初旬に無事開花した。

 シャクナゲが5~8分咲きとなった9日も、住民約15人が花の手入れや刈り払った雑木の搬出作業に汗を流した。今月いっぱい楽しめるという。

 片山さんは「(整地前とは)見違えるよう。地域に愛され、人が集まる場所になればうれしい」。田島さんも「今後も水やりを丹念に続け、しっかり根付かせたい」と話していた。

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