三浦春馬さん誕生日、地元土浦で上映会 温かい人柄しのぶ 

茨城新聞
2021年4月3日

昨年7月に亡くなった茨城県土浦市出身の俳優、三浦春馬さん=享年(30)=をしのぶ映画上映会が、三浦さんの誕生日に当たる5日、同市川口の土浦セントラルシネマズで開かれた。出演作品の監督らが舞台あいさつし、三浦さんの温かい人柄をしのんだ。ロビーに描かれた桜のメッセージ板には、全国から集まった大勢のファンが思いをつづった。来場者は涙で目を赤くしながら、若くして世を去った人気俳優を惜しんだ。

「春馬君は大変素直で、皆と協調性ある素晴らしい少年だった」。三浦さんが小学5年で初主演した映画「森の学校」の西垣吉春監督は、舞台あいさつで思い出を語った。映画は2002年に全国に先駆けて同館で封切られた。西垣監督は「40、50代になっても役者の仕事を担うべき人だっただけに残念」と早すぎる死を悼んだ。

三浦さんが4~14歳ごろ所属した児童劇団「つくばアクターズスタジオ」で演技指導してきた加藤麻由美さんは、「笑顔と、小さいのに色気があって人を引き付けるところがあった」と幼少時の印象を語った。三浦さんは加藤さんの膝に乗り、自作の物語を話したという。死の直前、会う約束をしていたのにかなわず「人一倍優しく、繊細な心を持っていた。(死については)言葉にならない」と涙ぐんだ。

この日は大勢のファンが全国から集結。メッセージ板が設置された。「あなたを失った世界は寂しい」「いつでも私の光です」「ずっとずっと思い続けるよ」などとつづった桜色の紙が、国内外から約1500枚寄せられた。

昨年公開の映画「天外者(てんがらもん)」を30回以上見たという、つくば市の小木曽加奈子さん(48)は「一生懸命で心がきれいなことが伝わり、人として尊敬できる魅力がある。突然の死はいまだに受け止めきれない」。東京都の千葉江美子さん(57)は、三浦さんが通った鉾田市の海岸などゆかりの場所を訪れた。「春馬君がいた場所、感じられる場所を巡っている。誕生日は笑ってお祝いしたかったけど、やっぱり泣いちゃった」と涙を拭った。

同館では三浦さんの出演作の上映を当面続ける。6日には「天外者」の田中光敏監督が舞台あいさつする予定。

同館の寺内龍地代表(66)は「彼の地元として、ここに来れば春馬君に会えるという聖地にしたい」と語った。

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