いい年へ願い込め 那珂湊だるま 一筆一筆仕上げ

茨城新聞
2020年12月18日

ひたちなか市十三奉行の飯田隆司さん(70)方で、江戸時代末期から続く縁起物の「那珂湊だるま」作りが最盛期を迎えている。

額と腹が出て鼻が高く、彫りの深い顔立ちが特徴。額の盛り上がりは、海に近い地域性から漁師が手を額にかざして沖を見る姿とも言われている。

那珂湊だるまは、市指定無形文化財。制作技術は、初代喜七さんから代々受け継がれ、飯田さんは5代目だ。

妻恵美子さん(66)と二人三脚で、11月から作業を始め、高さ7センチのミニサイズから45センチのものまで18種類、計約1500個を作る。

飯田さん夫妻は、新型コロナウイルスの世界的大流行に触れ、「来年は感染が収束していい年になるよう、いつも以上に願いを込めて作っています」と話した。

一筆一筆に思いを込めて仕上げた那珂湊だるまは、同市の磯崎や平磯、那珂湊地区で開かれる暮れ市などに並ぶ。