民宿でアンコウランチ 北茨城 洋風、コロッケやホイル焼き

茨城新聞
2020年11月5日

北茨城市平潟町の「温泉民宿・かね久」は今月から、アンコウの身やあん肝をぜいたくに使った料理のセットメニューをランチ客を対象に提供している。店主の阿部博昭さん(70)は「鍋やどぶ汁とは違う今までにない洋風にアレンジしたアンコウ料理を味わってほしい」と語った。

セットメニューの内容は、アンコウを使ったクリームコロッケ、グラタン、ホイル焼きの3品とデザート。

これまでにも宿泊客にサービスして好評を得ていたコロッケは、バターでルーを作り、みそとあん肝を使用。新開発のグラタンは大きく切ったアンコウの身で心地よい食感を演出した。同じく新開発のホイル焼きは、焼いたアンコウでだしを取った特製ソースをかけ、あん肝を口に入れた瞬間、うま味が広がる。

試食会で提供されたアンコウを使ったホイル焼き

先月中旬には地元住民らを呼び試食会を開催。参加者の一人は「コロッケ自体に味が付いていて、何もつけなくてもおいしい。香ばしい」と笑顔を見せた。

阿部さんは都内でコックをしていた経験を生かし、今回の料理を考案。新型コロナウイルス感染症の影響で宿泊・飲食とも打撃を受けている中、「新しいことに取り組む必要がある」との思いでメニュー開発に至った。

阿部さんは「コロナのダメージは東日本大震災による風評被害の時よりも大きい」と強調。「影響が続けば民宿街は共倒れになる。他店でもコロッケ料理を提供する動きが広がり、少しでも集客につながれば」と生まれ育った地元への思いを語った。

新メニューは3300円。午前11時~午後2時に提供し、持ち帰りも可能。宿泊客は対象外。1日30食限定で要電話予約。(電)0293(46)1486。新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、12月以降の提供になる場合もある。