源頼政の生涯に迫る 没後840年、歌集版本や錦絵展示 古河

茨城新聞
2020年7月11日

古河市錦町の頼政(よりまさ)神社に祭られ、没後840年を迎えた平安末期の武将、源頼政(1104~80年)に迫るスポット展「頼政を偲(しの)ぶ」が、同市仁連の市三和資料館で開かれている。弓術と和歌の双方に優れ、怪物退治の伝承もある頼政の生涯を、歌集の版本や錦絵など展示資料58点で紹介している。入場無料で19日まで。

頼政は武門源氏で初めて従三位に叙せられ「源三位」と呼ばれた。歌人として16の勅撰(ちょくせん)和歌集に計58首が収められたほか、娘の二条院讃岐が百人一首に選ばれている。保元の乱、平治の乱で勝者側につくも、打倒平氏の計画が露見し、交戦後に宇治平等院で自害。運ばれた首が重くなった地とされる頼政神社は、かつて古河城内の頼政曲輪(くるわ)にあった。

同展は4~10月の3回に分ける予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、1、2回目を合わせて開催。「武家歌人頼政」のコーナーでは、名歌「み山木の その梢とも 見えざりし 桜は花に あらはれにけり」が収められた詞花(しか)和歌集の版本などが並ぶ。

「頼政の鵺(ぬえ)退治」のコーナーでは、弓の名手としての頼政を紹介。平家物語では化鳥「鵺」を2回射落としたとされ、江戸期に歌舞伎や浄瑠璃の演目となった。同展では江戸期や明治時代ごろの錦絵、はんてん、絵本などを展示した。

このほか頼政の肖像画などのほか、日本の英雄に序列をつけた近代の「見立て番付」4点を展示。いずれも上位の位置付けから、頼政が当時の大衆から人気があったことがうかがえる。

同館の小林靖学芸員は「節目の年に頼政をしのびながら、市内の頼政神社にも目を向けてもらえたら」と話した。3回目の「橋合戦と頼政の最後」は10月1~18日に開催の予定。

開館時間は午前10時~午後6時。問い合わせは(電)0280(75)1511

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