心のよりどころに 宇都宮・黄ぶな作り

下野新聞
2020年5月29日

 新型コロナウイルスの影響で、宇都宮市の郷土玩具「黄ぶな」が厄よけとして人気を集め、工芸店などで張り子作りが忙しくなっている。

 黄ぶなには、天然痘が流行した際、田川で黄色のフナが釣れ、食べた人の病気が治ったという伝説がある。同市内では縁起物として黄ぶなの張り子を飾り、無病息災を願う風習が残る。

 同市大通り2丁目の「ふくべ洞」では、県伝統工芸士の小川昌信(おがわまさのぶ)社長(77)が30年ほど前から張り子を製造販売。土鈴やキーホルダーなどの黄ぶなグッズも扱い、通常よりも売り上げがあるという。

 28日は、小川社長が木型に紙を張るなどして形作った長さ約14センチの張り子に色を塗り、一つ一つ仕上げていった。「黄ぶながこれほど注目されるのは初めて。少しでも心のよりどころになってほしい」と話した。

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