陽明門、東側壁画の修復作業が終了 9月1日から再公開

下野新聞
2015年8月28日

 「平成の大修理」が進む日光東照宮の国宝・陽明門で、7月下旬から約1カ月行われてきた東側壁画の修復作業が27日までに終了、9月1日午後から一般向けに再公開される。

 陽明門の壁画は、東側の「梅と錦花鳥(きんかちょう)」と西側の「松と巣ごもりの鶴」の二つ。東照宮の記録によると、いずれも江戸時代中期の1752年に装飾されたが、1796年の修理の際に上から羽目板で覆われた。

 2013年7月には羽目板が修理のために外され、東側の壁画は「昭和の大修理」以来約40年ぶりにお目見え。西側の壁画は217年ぶりに肉眼で確認され、14年8~10月に剥落(はくらく)止めなどの修復作業が行われた。

 東側の壁画の大きさは縦2・26メートル、横2・85メートル。右下の部分は損傷が激しいが、左側の岩ササや紅梅、長い尾を垂らしながら仲良く寄り添う2羽の鳥はきれいに修復された。

 日光社寺文化財保存会によると、来年秋には羽目板の修理が完了するため、東西の壁画を見られるのは、あと1年余りという。佐藤則武(さとうのりたけ)技術主任(66)は「日本で数少ない唐油蒔絵(まきえ)の作品。西と東の筆遣いの違いを楽しんでもらえれば」と話していた。

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