「ワクワク伝え元気に」 日立の観光名所、動画に 明秀日立高3年・太田さん
日立市の魅力を広く伝えようと、明秀日立高3年の太田碧(あおい)さん(17)=福島県いわき市=が市内の観光スポットや飲食店などを紹介する動画配信に励んでいる。「ワクワクする日立の面白さを伝え、まちを元気にしたい」と、学業の合間を縫いながら撮影や編集を行い、動画投稿サイトで公開している。現在は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛要請の影響があるが、工夫しながら配信を続ける予定だ。
「今日は日立灯台に来ました。とてもいい景色です」-。4月初旬、太田さんは灯台がある日立市大みか町4丁目の古房地公園を訪れ、携帯端末に明るく語り掛けた。青空の下、海を見渡せる園内を歩きながら、白亜色の灯台や公園の特徴を分かりやすく伝えた。
太田さんは昨秋、「通学する市内の活性化に何かできないか」と、県主催の「県北ローカルベンチャースクール」を受講。そこで、同市には地域の情報を市外向けて動画で発信する手段がないことに気が付き、動画投稿サイト「ユーチューブ」にて「Finding Hitachi」のチャンネルを開設した。
幼い頃、福島県から市内のかみね公園などに遊びに来ていた太田さんは、人口減少が進むまちの将来を懸念する。「家族との思い出が詰まった場所を、発信することで残したい」と意義を話す。
動画は、観光名所や穴場スポットのほか、お薦めのレストラン、菓子店などを太田さんの体験や解説を交えて紹介する。飲食店では店主へのインタビューも行う。1本当たり3~10分程度にまとめ、1週間に数本のペースで投稿している。
撮影は休日を活用し、同スクールで出会った自営業の小又孝正さん(62)=日立市=の協力を得ながら各地を回る。撮りためた動画はタブレット端末を使い、通学の電車内で編集する。太田さんは「やると決めたからには、学業と動画配信のどちらもしっかりやる」と力を込める。
現在、交通費やより良い撮影機材購入などの活動資金を確保するため、インターネットで支援を集めるクラウドファンディングを実施している。
今は外出自粛要請により、市内を巡りながらの撮影を中止しているが、会員制交流サイト(SNS)で市民から募った情報を在宅で紹介するなど、工夫して配信を継続していく予定だ。「このような状況だからこそ、絶やさず小さな楽しさを届けて、皆さんと共有したい」と視聴を呼び掛けている。
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