《食いこ》クレソンを食卓の主役に 筑西・三国園
クレソンを専門に栽培する筑西市の三国園。ステーキなど肉料理の付け合わせのイメージが強いクレソンを食卓の主役にしようと、リーフレット作成やインターネットなどで魅力の発信に取り組む。
社長の内海真理子さん(44)は「栄養価の高い緑黄色野菜で和名はオランダガラシ。大根おろしのような特有の風味がある。旬は春だが、ハウス栽培で四季を通して出荷している」。全国のスーパーやレストランに卸すほか、直売や道の駅グランテラス筑西、下妻マルシェに出荷。ネット販売も行う。
内海さんの父岩渕彰さん(65)は20代の頃、農業の傍ら運送業者として築地市場に出入りしていた。東京都府中市でクレソンの卸をしていた三国園の経営者と知り合い、クレソン栽培を勧められ、1980年ごろ筑西市で始め、社名を引き継いだのが始まり。
水のきれいな所で自生するクレソン。「土壌は田んぼの代かきをしたような状態。栽培に適した地下水で育てている」(内海さん)。長年培った栽培技術で、土と水をバランスよく整え、植え付けから約2カ月で収穫する。約2ヘクタール生産。みずみずしい緑が広がるハウスで、収穫作業の要である母寿子さん(64)が鎌を動かす。
昨年は同社にとって大きな転換期となった。夏場は気温の低い栃木県那須塩原市で栽培していたが、一年を通し筑西市で栽培することに。家業に24年携わってきた内海さんが代表職の社長に就任した。一緒に働く両親や妹、弟たちの心強い後押しがあった。外食産業の受注にとどまらず、新しい風を吹き込む。かわいらしいキャラクターをあしらったリーフレットやホームページを作成し、「みくにクレソン」としてブランド化した。
「香りや食感がよく、生食でも火を通してもおいしい。調理法を選ばない万能野菜」と内海さん。みそ汁などだしを使った和食、生ハム巻きなどの多彩な食べ方を下妻市在住の料理研究家の協力で提案する。ナムルや天ぷらなど寿子さん直伝の料理も。ホームページやSNS(会員制交流サイト)で随時紹介する。「クレソンが好き」という反応が意外に多いことに驚いた。
新型コロナウイルスの影響で注文が減少気味。逆風が吹くが、「おいしかった」という反響にやりがいを感じている。
■メモ
三国園
▽住所は筑西市蓮沼18の1
▽(電)0296(57)4109
ホームページhttps://mikuni-cresson.com
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