《食いこ》カフェキャラメルママ(大洗町) 日本家屋で手作りケーキ

茨城新聞
2019年12月1日

包み込むような懐かしさを感じさせる古い日本家屋で、丁寧に作ったケーキが堪能できる大洗町の「カフェキャラメルママ」。黒田信次さん(64)、智江さん(61)夫妻が2016年に開いた。メニューはケーキと飲み物。庭を眺めながらゆったりとした時間を過ごせる。仕込みに時間をかけ、金土日の週3日営業する。食事は出していない。

智江さんは子どもが小さなころから、ほぼ独学で家族のためにケーキを作っている。「好きなことに熱中してしまう」性分で、04年から注文販売を始め、11年自宅で店を開いた。「雰囲気の良い場所でケーキを食べてほしい」という作り手の思いが募り、信次さんの定年退職を機に、カフェを開くことにした。

場所を探していたところ、大正時代に別荘として建てられたという日本家屋と巡り合った。「庭のしつらえや家のたたずまい」が気に入った夫妻は、畳は床に変えたが、古いガラスや意匠を凝らした建具、内装は生かし、和と洋を調和させた店を作った。「隠れ家のような場所」とアルバイトの仲山美貴さん。

旬の果物を使った「季節のフルーツロール」や定番のチーズタルトなどケーキは7種類を用意する。1カ月ほどで品ぞろえを変える。冬は水戸市産イチゴを使ったケーキがお薦め。きれいに仕上げた洋梨のコンポートがのる「ラ・フランスのタルト」は12月まで。笠間市産の栗、行方市産のサツマイモなど県産を使うようにしている。クッキーなど焼き菓子もそろう。智江さんは「手を加えることで粉、砂糖、卵が形を変え、果物も火を入れることでおいしくなる」と菓子作りの魅力を語る。

ケーキに合うコーヒーや紅茶、ほうじ茶など飲み物もお気に入りをそろえる。信次さんがハンドドリップで入れるコーヒーは深い味わい。香り高い紅茶はカラフルな南部鉄器のティーポットで供す。

飾られている絵に「閑居養志」の言葉が書かれていた。「世間の喧噪(けんそう)から離れて英気を養うという意味。この店に合っている気がして以前のままにしてある」と信次さん。「この家でカフェができてよかった」としみじみ話した。

■お出かけ情報
カフェキャラメルママ
▼住所は大洗町磯浜町8033
▼営業は金曜から日曜の午前11時~午後6時(祝日の月曜は営業)
▼(電)029(352)2786

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