《食いこ》大洗料理つかさ(大洗町) 県産食材生かし腕振るう

茨城新聞
2020年2月2日

「大洗料理つかさ」は海岸沿いの大通りから1本中に入ったビルの2階にある。観光客だけでなく地元の人も通う隠れ家のような和食店。

店主の高木順司さん(50)が県産食材を存分に生かした料理に腕を振るう。大洗や那珂湊漁港の地魚、大洗町や鉾田市産などの野菜、常陸牛や美明豚、奥久慈しゃもなど。「茨城は品質のよい食材が手軽で手頃なのが魅力。特に大洗なら魚も野菜も手に入りやすい」と大洗料理を名乗る。「地元の人に茨城の食材の良さを再発見してほしい」と意気込む。

高木さんはひたちなか市出身。中学卒業後、板前の修業に出た。県内外で腕を磨き、約18年前大洗町に店を出した。県産食材の良さを押し出そうと、2018年に現在の場所に移り同店を開いた。

大洗と那珂湊漁港に出向きせりを見て仲買人から仕入れる魚は「2月になるとホンジラウオ、サヨリといった春の魚が出てくる。さらに暖かくなるとハマグリ」と季節で変わる。冬はみそ仕立てのアンコウ鍋がよく出る。「泥臭くならないよう湯通しして臭みを取ったりして丁寧に下処理する。料理人の作る鍋を味わってほしい」と食べやすく仕上げる。アンコウ鍋は3月ごろまでの提供。

昼は3日前の予約で営業する。高木さん1人で切り盛りするため、6人までに限定している。ランチは、主菜と小鉢、ご飯、みそ汁がつく定食と、箱盛りの松花弁当風の2種類。夜は一品料理やコース料理を用意する。「茨城のお酒と合わせて料理を楽しんでほしい」と、セラーには県内の地酒が月替わりで並ぶ。手書きメニューは毎日変わる。この日メニューにあった「八杯豆腐」はくずでとろみをつけた小鍋仕立ての料理。江戸時代の豆腐料理をアレンジした。

料理の世界に入って約35年。「料理人の一手間で食材を昇華させる」の思いを強く持ち、長年培ってきた技術と感覚で日々料理に取り組む。落ち着いた雰囲気は女性客に人気。「家で毎日料理を作る主婦にも納得してもらえるような、店ならではの味を提供したい」。一言に料理人の心意気が表れる。

■お出かけ情報
大洗料理つかさ
▼住所は大洗町磯浜町6881の105小松崎ビル2階
▼営業は昼は正午から(3日前までに要予約)、夜は午後6時~午前0時
▼(電)029(267)0525

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