トラットリア イルコンパーニョ(小美玉市) 気取らず本格イタリアン

茨城新聞
2019年2月24日

春の花ミモザを思わせる黄色の外観が目を引く小美玉市のイタリアレストラン「トラットリア イルコンパーニョ」。トラットリアは大衆食堂のこと。気取らない雰囲気ながら、東京のイタリアレストランで料理長を務めた経験のあるオーナーシェフの守中成顕さん(46)が厳選した素材で前菜からドレッシングまで手間暇かける本格派だ。

同店は2012年にオープンした。広島県出身の守中さんは進学した大阪の調理師専門学校で、多彩なパスタや米料理、魚介料理など本格的なイタリア料理と出合い、イタリア料理の道へ進んだ。卒業後は老舗イタリアレストランで修業、有名店で料理長を務めるなど東京で約20年腕を振るった。常陸太田市のプラトーさとみのレストラン再生など食を通じた全国の地域創生事業にも携わった。

「シンプルで自然なもの、体が喜ぶものを選んでいる」と素材への思い入れは強い。パスタや生ハム、オリーブオイル、モッツアレラチーズ、塩などは本場イタリア産を仕入れる。小松菜は小美玉市、ルッコラは茨城町、パプリカは水戸市、石岡市の銘柄豚「弓豚」など、県産品も積極的に取り入れる。「茨城に携わるまでこんなに食材が豊富とは知らなかった」

常陸太田市の「まったり~村の小さな農園」の「コッコちゃんの卵」は、カルボナーラのパスタやビスマルク風の「ピッツァ」、プリンなどの料理に使っている。同園は鶏を平飼いし米ぬかや小麦などの餌にこだわって育てる。「着色するための飼料を使っていないため黄身の色が薄く、臭みもない。初めて口にしたときは感動した」

ピッツァは「ローマ風の薄焼き」。前日に仕込みゆっくり発酵させた生地は「薄いがもちもち感もある、さくっとした食感」に焼き上げる。卵が2個のるビスマルク風は、とろりとした半熟卵とベーコンがよく合う。

知り合いのいなかった土地で縁あって営む店の名、コンパーニョはイタリア語で仲間。「わざわざ来てくれる、たくさんのお客さんに支えられている」と笑顔を見せた。

■お出かけ情報
トラットリア イルコンパーニョ
▼住所は小美玉市羽鳥2966
▼営業時間は午前11時半~午後2時(ラストオーダー)、夜は予約制で午後6時~同8時(同)
▼定休は水曜・第3木曜。臨時休業あり
▼(電)0299(56)5432

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