《旬もの》皆藤梨園(小美玉市) 甘くジューシーな季節到来
本県は全国有数の産地。甘く果汁たっぷりな梨の季節を迎え、小美玉市の「皆藤梨園」でも幸水の収穫に忙しい。園主の皆藤純一さん(43)は代々続く農家の生まれ。30歳のとき、父の朗さん(68)が約40年前に始めた梨作りの道に入った。梨農家としては2代目となる。同園では枝葉を茂らせ葉の養分を果実に取り入れる栽培法を実践し、質のよい梨作りに取り組んでいる。
◇ 1・5ヘクタールを栽培する梨畑には、枝を横に誘引した平棚が張り巡らされる。木の高さは1メートル80センチほど。たわわに実った梨の重みで枝が下がり、かがまないと頭がぶつかりそうだ。「普通の梨園よりも葉を茂らせている」と純一さん。その理由を「葉は光合成し糖分のもとになるデンプンを作る。枝葉を残すように剪定(せんてい)し、葉にたくさん太陽が当たるようにすることで、糖度が高い、しっかりした大玉の実ができるという考え方」と説明。梨農家の仲間と、この栽培法を取り入れて約10年。「品質や収量が安定してきた」と手応えを話す。
収穫後は秋から冬に剪定や誘引、春に花が咲けば授粉、摘果と1年中作業に追われる。「剪定は2、3年後を見越して行う。養分の貯蔵が増えるように葉を残す。先のことも考えていい梨作りに努めている」と丹精込める。
「幸水」の収穫が、今年は10日ほど早い7月下旬から始まった。幸水を皮切りに「豊水」「あきづき」「新高」と9月末まで続く。幸水は今月20日ごろまで、豊水とあきづきは8月下旬~9月中旬とほぼ同じころ、収穫時期の短い新高は9月下旬を見込む。
純一さんは「高齢化で梨農家は減っており後継者不足。今の時代に合った、若い人にも魅力的な経営を整えたい」と語る。隣で“3代目”の長男大智君(小6年)と次男駿介君(小4年)が甘くみずみずしい梨にかじりついた。
◇ 同園では直売のほか、JA新ひたち野石岡梨選果場に出荷する。同選果場では同JA梨部会の梨を直売し、9月1日午前9時から、豊水の試食や販売を行うイベントを開く。
■お出かけ情報
皆藤梨園▽住所は小美玉市西郷地1542
▼(電)0299(48)3589
JA新ひたち野石岡梨選果場▽住所は石岡市根当10607の1
▼(電)0299(24)0716
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