益子町産農作物 都心で販売 朝採りを高速バス運送 ブランド化販路拡大狙う

下野新聞
2018年9月14日

 【益子】町産農作物などを目の肥えた都心の消費者に売り込む取り組みが始まった。8月末、朝採りの野菜や果物が茨城交通の高速バス「関東やきものライナー」で初めて都心に運ばれ、その日のうちにオフィスビルの一角で直売した。第2弾は13日に出荷、さらに15日から22日までに計4日間の出荷を予定しており、農作物などのブランド化や販路拡大を狙う。

 町内と大都市部のレストランなどとの個別取引はあるが、継続性を持って、広く都心の消費者向けに鮮度の高い農作物を提供することはなかったという。

 8月に始まった事業は全国農業協同組合中央会(JA全中)のほか、三菱地所などが構築。関東・東北などの7県から7社の高速バスが参加し、関東からは茨城交通のみだ。町内を始発とする関東やきものライナーが県内では唯一、町内から作物を運ぶ。ライナーの余裕スペースを生かす。

 町などが音頭を取り8月30日に初出荷した。生産者は早朝から長堤の道の駅ましこにナシやブドウ、リンゴ、ショウガなどを持ち込み、揚げ餅といった加工品と合わせ約180キロ分を保冷箱三つに詰めた。出荷者は13人、13種。その後、都心へと運ばれた。

 小泉、ナシ農家仁平博志(にへいひろし)さん(55)は「ナシの糖度の高さに気を使う。そういうこだわりが伝われば」と期待を寄せた。

 その日夕に大手町ビルで、翌31日には有楽町のDNタワー21で主にサラリーマンやOL向けに販売された。JA全中によると、値が張るブドウなどを含め想定より早く完売したという。

 販売状況によっては今後、オフィスビルの社員食堂などに卸すことも想定される。町の担当者は町内農作物が都心に並ぶには1~2日かかることを踏まえ「道の駅に並ぶのと同じ鮮度で都心で売れる」と強調。町の知名度アップなどを目指す。

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