桜の便り、県内に とちぎ桜企画

下野新聞
2018年3月30日

 県内に届いた桜(ソメイヨシノ)の便りが北上中だ。連日の暖かな陽気は花芽の開花に拍車をかけ、春本番を実感させる。

 春は出会いと別れの季節。桜を見る人々の心情も、記憶や時間、天候などによってさまざまであろうと想像する。

 河川敷で満開となった桜並木。桜と菜の花やハナモモの競演。周囲の変遷を見つめてきたしだれ桜。

 俳人の高浜虚子(たかはまきょし)は“今が見頃”の花を「咲き満ちてこぼるる花もなかりけり」と詠んだ。

 今回は28、29の両日、県内の“見頃”を記者が訪ねた。


■東雲公園(壬生)
 黒川を渡る東武鉄道がソメイヨシノを背景に走る=写真。両岸には約250本が咲き、現在七~八分咲き。多くの花見客が訪れ、桜と鉄道がつくる景観に足を止めていた。 
(29日・小型無人機から)


■間々田八幡公園(小山)
 間々田八幡宮(はちまんぐう)境内にある公園。大小二つの池を囲うように咲く約50本のソメイヨシノが見頃を迎えた=写真。桜の下に架かる橋を渡る足取りはどこか軽やか。
(28日)


■真岡鉄道沿線(真岡)
 真岡鉄道の北真岡駅付近では、桜と菜の花が競演し春一色に包まれた=写真。桜並木は駅から東に約800メートル区間。土、日、祝日にはSLも運行し、写真愛好家などでにぎわうが、同鉄道では「撮影マナーを守ってほしい」と話している。
(29日)


■山前公園(足利)
 公園入り口の斜面にハナモモが咲き、満開のソメイヨシノと競演している=写真。白と濃い桃色のコントラストが目を引く。約8・3ヘクタールの園内に317本の桜が点在し、散策にもってこいだ。
(28日)


■太平山(栃木)
 栃木市の桜の名所を挙げるなら、太平山は欠かせない。選抜高校野球で30日に3回戦の国学院栃木、シダレザクラが有名な太山寺を過ぎて謙信平へと向かう。火点し頃、坂の途中から東方向に広がる桜にレンズを向けた=写真。
(28日夜)


■天平の丘公園(下野)
 “天平公園の女王”の異名を持つ樹齢約60年の紅枝垂れ「西行桜」=写真。初夏を思わせる日差しの中、散策途中の人々は、見事な桜の傘に吸い込まれるように涼んでいた。約20種120本の桜は今が盛り。来月には10種の八重桜と主役を交代する。
(29日)


■矢板武記念館(矢板)
 矢板市の矢板武(やいたたけし)記念館庭園でシダレザクラが満開となった=写真。幕末から明治にかけて矢板のまちづくりに尽力した矢板武。ソメイヨシノがほころぶ中で樹齢約180年の名木はライトアップもされる。
(29日)


■八幡山公園(宇都宮)
 ソメイヨシノが満開となった宇都宮市の八幡山公園=写真。ここ数日の初夏のような陽気で花は一気に見頃となった。園内では花見客が声を弾ませ食事を取る姿も見られた。桜は春を告げながら、人々の顔も自然と笑顔になる。
(29日)


■とちのきファミリーランド(宇都宮)
 県総合運動公園内のとちのきファミリーランドは、遊園地。春休みの学生や家族連れでにぎわう。ジェットコースターに乗って眺める桜もいいが“じっくり観賞派”には観覧車がお勧め=写真。運動公園では30日~4月8日まで「さくらまつり」を開催。
(28日)


■袋川(足利)
 袋川と名草川が交わる千歳橋の北側に連なるソメイヨシノ=写真。鈴なりに花を付けた枝が袋川にせり出し、水面をほんのりと桜色に染めていた。 
(29日・小型無人機から)


■城山公園(佐野)
 満開のソメイヨシノが春の陽光を浴びている=写真。桜の下を歩く家族連れやグループの明るい声が園内に響いた。JR両毛線と、東武佐野線の佐野駅に隣接し、9種類160本の桜が楽しめる。 
(29日)

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