サクラ特集 Part 1 県内平野部でサクラが見頃

上毛新聞
2018年3月30日

別れと出会いの季節。期待と不安を胸に新天地に赴く人もいれば、一抹の寂しさを秘めながら笑顔で送り出す人もいる。さまざまな思いを抱える人たちに、淡いピンク色の花はいつも優しく寄り添ってきた。
県内の平野部でサクラが見頃を迎えている。前橋市では25日の開花からわずか3日で満開となった。その勢いは、寒かった冬の記憶を消し去るかのようだ。
花の命は短い。仲間とにぎやかに花見をするも良し、一人で静かに眺めるも良し。今年もサクラは花を咲かせてくれた。その喜びを存分に味わおう。

 

◎前橋公園


前橋市の前橋公園では約350本のソメイヨシノが咲き誇る。沿道から眺めるのも風情があるが、さちの池のほとりに腰掛けて、青空をバックに見上げるのは格別だ。
開花とともに花見客が増え、笑い声があちらこちらで聞かれる。芝生の上で、ゆったりと寝そべったり、記念写真を撮る人も多い。
近くには近代和風建築の臨江閣もあり、サクラとともに趣のある建物の眺めも楽しめる。(29日午後0時55分ごろ撮影)

◎前橋・県立敷島公園


家族連れでにぎわう園内にご当地アイドル、あかぎ団が やってきた。背の高い木々が織りなす“回廊”を8人で歩き、歓声を上げた。
あかぎ団はぐんま観光特使を務めている。メンバーの天田真未さんは「いろいろな場所で前橋のサクラの魅力を伝えなくっちゃ」。(28日午後2時20分ごろ撮影)

◎高崎公園


高崎市役所南側に位置する高崎公園(同市宮元町)は噴水のある池を中心に並ぶソメイヨシノなど約80本のサクラが花盛りとなっている。水面にピンクの花びらが浮かぶ池に、コイが顔を出し、散策する人たちが楽しんでいる。
園内はちょうちんが飾られたり、軽食が楽しめる出店も置かれ、花見気分を盛り上げる。花は近くの高崎城址公園とともに午後6~10時にライトアップされる。(28日正午ごろ撮影)

◎高崎・観音山公園


白衣大観音を頂く高崎市石原町の観音山公園は山を囲むようにソメイヨシノやヤマザクラが咲き誇る。山頂付近から東に望む中心街を見下ろすと、満開のサクラの花を添えた原寸大のジオラマが目の前に広がっているようだ。
サクラの花越しに中心街や関東平野を見渡すことができる観音山駐車場付近では、訪れる人たちが年1度の絶景を喜び、盛んにカメラに収めていた。花は午後6~10時はライトアップされる。(28日午後2時ごろ撮影)

◎富岡製糸場


富岡市の富岡製糸場のサクラがほぼ満開となり、場内は優しい春の色に包まれている。正門近くを中心に、ソメイヨシノをはじめとした約50本が見ごろを迎えた。
ブリュナ館の近くでは鏑川を臨むようにサクラが連なる。訪れた親子連れや観光客はカメラを片手に、すっかり春めいた世界文化遺産を満喫している。
午後8時までライトアップをしている。館内のカフェから夜桜を眺めることができる。(29日午前11時ごろ撮影)

◎安中・後閑城址公園


妙義山や浅間山を背に、後閑城址公園(安中市中後閑)で満開のサクラが咲き誇っている。戦国時代、西上州の山城だった後閑城。郭や櫓(やぐら)など当時の形状を生かした広場に約200本のサクラが植えられている。本丸跡までの遊歩道では親子連れらが盛んにシャッターを切っていた。
31日から15日までの夜間、地元の市民団体が本丸跡をライトで照らす。(29日午前10時半ごろ撮影)

◎藤岡・七輿山古墳

藤岡市街の北西約3.5キロに位置する七輿山(ななこしやま)古墳(同市上落合)をソメイヨシノが覆い、全長145メートルの墳丘全体を淡い色に染め上げている。
6世紀前半に造られた三段築成の前方後円墳。同じ世紀では東日本最大級の大きさを誇る。
墳丘周辺では、のんびりと歩きながらサクラを見上げる人の和やかな笑い声が聞こえる。1400年以上の歴史を持つ史跡に、穏やかな時間が流れている。
(29日午後2時25分ごろ撮影)

【高崎・天久沢公園】
武田信玄が陣城を築いた地とされる天久沢(あまくざわ)公園(高崎市吉井町矢田)。花を見ながら子どもたちもにっこり。

【藤岡総合運動公園】
サッカーを楽しんだ地域の学童クラブの子どもたちが菓子をつまみつつ、ふっとひと休み。

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