県産使用の梅干し販売 大洗・吉田屋、完熟度の統一図る

茨城新聞
2015年10月2日

茨城の梅を見る梅から食べる梅へ-。大洗町磯浜町の食品加工業「吉田屋」(大山岳夫社長)は、県産の梅を使った梅干し「茨城の賜(たまもの)」の本格販売を始めた。これまで県産梅は梅酒用として完熟前の青梅が出荷されていたが、完熟した梅の加工品はほとんど流通していなかった。大山壮郎取締役は「これをきっかけに、県産の梅が食用として広く知られれば」と意気込む。

茨城の賜は、県内でしか採れない希少種の「加賀地蔵」と、県内の梅農家が育てた「石川1号」を使った梅干し。昨年から同社店舗で試験的に販売していたが、梅の安定的な供給のめどが立ったことから、県内の各土産物店などで本格的な販売に踏み切った。JR水戸駅改札口の土産物店から販売を始め、順次、県内の土産物店などに商品が並ぶ予定。

同社は、2013年からJA土浦千代田梅部会と協力し、県産梅を食用として活用する「常陸乃梅」ブランドを展開。第1段として梅シロップを販売した。そのブランド展開の一環として、今回の梅干しを発案。本格販売に当たり、完熟梅の安定的な供給が必要となったことから、梅の完熟度合いを色で示したカラーチャートを同部会の各農家に配布し、完熟度の統一を図った。さらに梅の選別方法を厳格化するなど、2年間にわたり農家と試行錯誤と重ねてきた。

大山取締役は「茨城の梅を食用として広めるだけでなく、より品質の良いものに高めていきたい」と話した。

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