《食いこ》とうふやたかはし(茨城・八千代町)  体に優しい料理、スイーツ

茨城新聞
2023年2月26日

創業から60年以上。老舗の豆腐店「高橋食品」(茨城県八千代町)が店舗と同じ敷地内に2021年5月、カフェを開いた。卵や牛乳といった動物性食品と小麦粉を一切使わず、自社製の豆腐、おからなどで仕上げた体に優しい料理を提供する。

同店は1958年から営業を始めた。現在は3代目社長の高橋真弘さん(40)が中心となり、真弘さんの母親や社員パート計約15人で、メインの豆腐のほか油揚げ、がんもどき、さしみゆばなどを手作りする。「店の看板である豆腐を生かし、健康的な料理を提案しよう」と、妻の光さん(26)と話し合い、カフェの開店を決めた。

大豆製品をふんだんに使ったメニューは、調理師免許を持つ光さんが考案し、腕を振るう。人気の「湯豆腐定食」に付くキッシュは、小麦粉の代わりに大豆粉や豆乳、オートミールを使い、香ばしさや食べ応えを出した。おからサラダは、マヨネーズの代わりに豆腐や甘こうじを入れてしっとりとした口当たりに。「おいしさを知ってもらうだけでなく、アレルギーのある人にも気にせず食べてほしかった」と話す。

パティシエとして働いた経験から、イチゴタルトやモンブラン、クレープ(土日限定)などスイーツも種類豊富に用意する。タルトのさっくり感やケーキ生地のしっとり感を再現するため試作を重ね、納得できる食感や味に仕上げたという。「小麦粉や卵を使う一般的なレシピとは全く配合が異なるため、失敗は数え切れないほど。大変だったが、お客さんが喜んで食べてくれる。頑張って良かった」と笑顔を見せる。

カフェは山小屋をイメージした造りで、木のぬくもりが感じられる。店内には、高橋さんが作った棚や光さんが料理を描いたメニュー表が置かれ、アットホームな雰囲気だ。レジ横の一角では、油揚げやがんもどきなど、豆腐店の商品も販売。子どもからお年寄りまで、幅広い年代が訪れる。

落ち着いた色調の外観

 

3代にわたり守り続けてきた店の商品は、カフェのメニューとなることで新たな可能性を広げる。「今後も手作りにこだわり、豆腐のおいしさを伝えていきたい」と真弘さん。夫婦二人三脚で、豆腐の魅力発信に力を注ぐ。

■お出かけ情報
とうふやたかはし
▽茨城県八千代町芦ケ谷654の1(鮨・和食処 海将の裏)
▽営業時間は午前10時~午後5時。水・木定休
▽(電)090(3038)1958
▽http://tofuya-takahashi.com