農福連携目指し栗カフェ開店 茨城・笠間の廃校活用 魅力発信、加工品生産も
野球の独立リーグ、ルートインBCリーグの「茨城アストロプラネッツ」(AP)を運営するアドバンフォースグループ(茨城県ひたちなか市)は、同県笠間市の廃校を活用した複合施設に自社栽培の栗の加工品を使ったカフェ「kasamarron café(カサマロンカフェ)」をオープンさせた。同グループは障害者福祉サービスや農業を中心に多角経営を進めている。カフェ事業は、農家の担い手不足解消や障害者への就労支援を目指す「農福連携」の一環。笠間産栗の魅力を発信し、地域の課題解決にもつなげたい考えだ。
同グループは、飲食事業や農業を展開する「アドバンフォース」、障害者の就労支援事業所を運営する「茨城プラネッツ福祉センター」、茨城APを運営する「茨城県民球団」の3社から成る。少子高齢化や人口減少、農業後継者不足による耕作放棄地の増加など地域の課題に対応するため、3社連携事業に取り組む。
同市内では、栗の栽培から加工・販売までアドバンフォースが就労支援事業所と連携して実施。事業所社員らは自社農園で栽培や苗木の定植、収穫などに従事している。加工でもペーストやむき栗など商品製造の全ての工程に携わる。
カフェ事業は、茨城県民球団と同市との連携協定を受けたもので、同市福田の旧市立東中を改装した複合施設に店を構えた。施設内には栗貯庫や加工機器も備え、加工品の生産も行う。
カサマロンカフェは放送室や職員室があった場所を白を基調に改装した。客席と厨房(ちゅうぼう)を合わせた広さは約148平方メートル。席数は28。南側の窓からは校庭や紅葉した木々が一望できる。
メニューは市内の人気洋菓子店から監修を受け、素材を生かしたモンブランやシフォンケーキ、パフェなどをそろえる。
カフェの開店と併せて、体育館もリニューアル。床には人工芝を敷き詰め、フットサルやグラウンドゴルフなどを用途として一般に貸し出される。
山根将大社長は「特産の栗のスイーツを通じて笠間の魅力を発信するとともに、地域の課題解決への足がかりとしたい」と意欲を示した。
カサマロンカフェは午前10時から午後4時まで。29日から来年1月4日までは休み。(電)0296(71)5567。