奥久慈アートフィールド 茨城・大子と水郡線舞台に作品 芸術家3人が滞在制作
茨城県大子町と町内の水郡線各駅を舞台としたアート作品を展示する「水郡線 奥久慈アートフィールド2022」が開かれている。アートによって水郡線の利用促進や町の活性化を図ろうと、同町とJR東日本、NPO法人まちの研究室が企画した。公募で選ばれた芸術家3人が町に滞在し、「呼吸する水郡線」「駅のこえ」「地球をみつける」と題して制作した。来年1月15日まで。
「呼吸する水郡線」は、都内に活動拠点を置く藤村憲之さんの作品。夜(午後4時~午前0時)と早朝(午前5~8時)の時間帯、駅舎やホーム周辺の空間を光で彩る。常陸大子駅ではベンチの屋根に取り付けた照明が点灯し、袋田駅では田んぼに稲わらで作る「わらぼっち」が設置され、光に照らされる。各場所にまつわる人の呼吸を調べ、明滅のリズムに合わせている。通勤通学などの利用客にも、電車内から目にすることができる。ほかに、展示場所は下野宮、上小川の両駅。
「駅のこえ」は、京都の劇団に所属する作家で演出家の私道かぴさんの作品。町内で取材し調査した内容を基に、歴史や自然を題材にした一人語りの台詞を書き起こし、録音した内容を駅舎内の一角で列車の到着時間前の数分間流している。場所は常陸大子、下野宮、袋田、上小川、西金の全5駅。
「地球をみつける」は、札幌市出身の美術作家、千葉麻十佳さんの作品。町内で探し見つけた岩石を太陽の光と巨大レンズを使って溶かし、作品を制作、町の某所に展示している。展示場所は、5駅に設置してあるヒントから探し当ててもらう企画だ。
千葉さんは「自然豊かな大子町全体をフィールドにしたアート展というコンセプトに魅力を感じて応募した。展示を体験することを通して、何かを見つけてもらえたら」と話す。
詳しくは「水郡線 奥久慈アートフィールド2022」公式ホームページで。