甲冑まとい「出陣」 まつりで山上郷右衛門顕彰 桐生・新里

上毛新聞
2016年6月14日

ㅤ桐生市新里町ゆかりの戦国武将、山上郷右衛門を顕彰する「山上城郷右衛門まつり」が11日、同所の山上城跡公園などで初めて開かれた。中心行事の武者行列では本格的な甲冑(かっちゅう)をまとった愛好家をはじめ、段ボール製の甲冑を身に着けた子どもたち合わせて約80人が勇ましく歩いた。
ㅤ武者行列は、お笑いコンビ、ワンクッションの佐藤涼平さん(32)が郷右衛門役となり、馬上から「皆の者、出陣じゃ」と声を上げて先頭を歩いた。武士や忍者、着物の女性、黒や赤の手作り甲冑の子どもたちが続き、30分にわたって公園の周囲を歩いた。
模擬合戦は午前と午後の2回、公園内の芝生広場で実施。郷右衛門率いる北条軍と、前田利家、真田昌幸などの豊臣軍に分かれて戦った。「子ども甲冑隊かかれ」の合図とともに両軍の子どもたちが飛び出し、おもちゃの刀を激しくぶつけ合った。
ㅤみどり笠懸小5年の冨岡優樹君(10)は自作の黒と黄色の甲冑をまとって参戦、「合戦の体験は初めてで、思っていた以上に楽しかった」と話した。
ㅤ郷右衛門は北条家の家臣として小田原攻めの豊臣秀吉と対峙(たいじ)したほか、徳川家康の家臣として臨んだ関ケ原の戦いでは伝令将校として何万もの大軍を動かした。晩年を桐生市新里町で過ごしたとされる。
ㅤ郷右衛門の存在に光を当て、地域おこしにつなげようと、地元市民らが実行委員会を結成し、祭りを開催した。

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