放菴と大観 活躍に焦点 日光の記念美術館 交友、ゆかりの画家紹介 来月まで、日本画42点

下野新聞
2022年8月15日

【日光】山内の小杉放菴(こすぎほうあん)記念日光美術館で、岐阜県高山市の美術・博物館「光ミュージアム」と連携した初の展覧会「開館25周年記念 大観とその時代 光ミュージアム名品展」が開かれている。小杉放菴と横山大観(よこやまたいかん)の2人に焦点を当て、2人が生きた時代に活躍した画家たちの名品を紹介している。9月11日まで。

同日光美術館の開館25周年記念事業の一環。1999年に開館した光ミュージアムの所蔵作品から、近代の日本画42点を3章構成で展示している。

親しい間柄だった小杉と横山の作品を展示する1章は、2人の交友に迫った。金びょうぶに描かれた「不二霊峰」など横山の作品11点と、「たいざん木」など小杉の作品6点が並ぶ。同日光美術館の迫内祐司(さこうちゆうじ)学芸員は「横山の初期から晩年までの名品をずらりと見られる」と話す。

2章は小杉、横山らが再興した日本美術院に関係する画家に注目。菱田春草(ひしだしゅんそう)の「湖辺」や下村観山(しもむらかんざん)の「武陵桃源(ぶりょうとうげん)」などの15作品を楽しめる。

最終章は、日本美術院の「院展」とは対照的な「官展」で活躍した画家について探った。鏑木清方(かぶらききよかた)、竹内栖鳳(たけうちせいほう)らの名品が並ぶ。川合玉堂(かわいぎょくどう)の「湖村夕照(こそんせきしょう)」は、金びょうぶに何げない田舎の風景を描いた。迫内学芸員は「約100年前は当たり前だった風景でも、美しさに気付いて残した素晴らしい作品」と話している。

午前9時半~午後5時(入館は4時半)。月曜休館。入館料は一般730円。9月10日午前11時からは、学芸員によるギャラリートークが行われる。

(問)同日光美術館0288・50・1200。