記憶引き出す影と光 宇都宮美術館でクワクボリョウタ展

下野新聞
2016年8月27日

 宇都宮市出身のアーティスト、クワクボリョウタさんの最新作を展示する「クワクボリョウタ展-見ることを見る」が9月4日まで、宇都宮美術館で開かれている。暗闇の空間の中に、見る人の記憶や身体感覚に訴えかける影と光のインスタレーション2点を展示。クワクボさんは「見る人それぞれが自分の記憶や発想を呼び出すきっかけになるものをつくっている。見ることで完成する作品」と話している。

 クワクボさんは1971年生まれ。筑波大大学院修士課程デザイン研究科総合造形修了。エレクトロニクスを使用した装置型の作品に取り組み、「デバイス・アート」とも呼ばれる独自のスタイルを生み出した。

 同展では、「風景と映像」と「忘れ物取扱所」という2作品を展示している。それぞれ10年、13年に制作したものを再構成して出品している。

 同館の前村文博(まえむらふみひろ)主任学芸員は「誰もが持つ記憶や身体感覚をコンセプトにしてつくっているので、見る人によってそれぞれに気持ちを投影できると思う」と話している。

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