若冲「菜蟲譜」、複製を常設展示 佐野市吉澤記念美術館
下野新聞
2016年6月4日
【佐野】葛生東1丁目の市吉澤記念美術館で伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)(1716~1800)の日本画「菜蟲譜(さいちゅうふ)」の初の複製作品が常設展示されている。
貴重な文化財の保存活動などに取り組むNPO法人「京都文化協会」(京都市)が高精細デジタル複製で制作し、同館に寄付した。原画は今秋、約2年ぶりに同館で限定公開する予定。
「菜蟲譜」は3点ある若冲の国指定重要文化財作品の1点。縦約32センチ、長さ約11メートルの巻物に昆虫や野菜など約160種が色彩豊かに描かれている。原画は、東京都台東区の東京都美術館で今春開催され、連日大盛況となった「生誕300年記念 若冲展」に貸し出されていた。
同館学芸員の末武(すえたけ)さとみさんは「原本を後世に残すには、限られた期間しか公開できない。原本と遜色ない複製を頂き、『常設してほしい』という声に少しでも応えられたら」と話している。
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