地場産そば焼酎 茨城・土浦ブランドに 市が開発、販売開始
茨城県土浦市産の常陸秋そばを使ったそば焼酎「土浦小町」の販売が11月から始まった。同市は新治地区を中心に秋ソバの優良産地で、原料のソバを加工商品として活用。新型コロナウイルスの飲食店営業自粛に伴いそばの卸売りが低迷したため、土浦ブランドとして売り出し活路を開く。初年度の今年は2200本を製造し、まずは県内39店舗で取り扱う。
◆銘柄「土浦小町」
土浦小町は市農業公社が企画。720ミリリットル入り、黒いボトルで高級感を出し、ラベルは書家の字を使った。銘柄は土浦に伝説がある小野小町にちなんだ。価格は税込み1500円。取扱店は県内の百貨店やスーパー19店、酒店、市役所1階の物産所「きらら館」、新治地区の観光施設「小町の館」など。
そば焼酎の開発の背景には新型コロナによる飲食店でのそばの消費減少がある。昨年の同市産の常陸秋そば販売量は、公社取り扱い分で前年の半分に激減した。新治地区の生産者11軒が100ヘクタール弱の秋ソバを栽培。生産量約100トンのうち30トンを公社が買い上げている。公社はそば店などに卸す契約量を生産者から買っており、市内の生産者は売り先のないそば原料を在庫として抱えた。市は生産者を守るため、加工品開発を進めてきた。
◆芳醇な味わい
焼酎はそば原料を600キロ使い、製造は水戸市の明利酒類に委託した。
5月から始まった仕込み工程の一部に参加した安藤真理子市長は、試飲した焼酎について「とても口当たりがよく、芳醇(ほうじゅん)な味わい。飲みやすい」と評した。明利酒類の担当者は「そばの優しい風味が出た焼酎ができた。飲食店を含めいろいろな場面で飲んでほしい」と太鼓判を押す。
市は、ふるさと納税の返礼品にも加え、PRする予定。同公社は「できるだけ継続して製造販売し、土浦ブランドとして確立していきたい」と来年度以降も続ける考えを示した。
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