《旬もの》こだわり土壌のアスパラ Green工房(城里町) ジェラートも人気 

茨城新聞
2021年5月23日

ビニールハウスをのぞくと、ふかふかした土から黄緑色のアスパラガスがにょきにょきと生えている。どれも地面から20センチ前後の高さで、なんともかわいらしい。

茨城県城里町のアスパラ農園「Green工房」は、70アールほどの農地に約20棟のハウスを構える。代表の河原井大介さん(41)が妻の亜耶美さん(38)ら家族とともに経営し、1日700本以上、約15キロを収穫する。

アスパラは、抗酸化作用のあるアントシアニンやアミノ酸の一種のアスパラギン酸など、豊富な栄養素を含むことで知られている。一方、「(収穫してから)48時間で約30%の水分が抜け、栄養や甘みも落ちてしまう。デリケートな野菜」と河原井さん。そのため、同農園では新鮮な朝採りを敷地内の直売所で販売する。

収穫作業は毎朝、午前8時ごろから開始。しゃがんで一本一本丁寧にはさみで根元を切り、専用の選別機でサイズごとに分ける。河原井さんが「鮮度がいいのが売り」と話すアスパラは、切り口から水分がしたたり落ち、みずみずしいのが見て取れる。

土作りに力を入れ、茨城のブランド豚肉「キングポーク」の堆肥を使用。アスパラが病気になりにくく、元気に育つのだという。就農したての頃は、質の悪い堆肥を使って病気になるなど、失敗もあったが、試行錯誤を経てこの堆肥にたどり着いた。こだわりの土壌で丹精込めて育てられたアスパラは「甘くてジューシー」と評判だ。

お勧めの食べ方は、塩を少し入れた熱湯で30~40秒ほど湯がくシンプルなもの。熱々を頬張ると、程よい歯応えは残りつつ、優しい甘さが口に広がる。茎についた三角形の葉のような部分の「はかま」は、切り落とさなくても柔らかい。

2015年ごろからは、農園で採れたアスパラを使ったジェラート「Principessa(プリンチペッサ)」(300円)を開発し、販売。商品名は、イタリア語で「お姫さま」を意味し、クレオパトラが好んでいたことから由来する。甘さ控えめでさっぱりとして食べやすいジェラートは、子どもから大人まで楽しめる。

アスパラガスのジェラートと、手作りコースター

 

河原井さんは「もっとたくさんの人に食べてもらいたい。これからも鮮度とクオリティーのいいものをお届けしたい」と意気込む。

メモ
Green工房
▽住所は茨城県城里町上入野
▽(電)090(4959)5559
▽全国発送もしている
▽ホームページ(https://www.greenkoubou.com/)

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