星野遺跡記念館29日開館 栃木市 台風19号やコロナで整備遅れ 石器や資料など展示
【栃木】市は29日、旧石器、縄文時代の石器などを展示する「星野遺跡記念館」(星野町)を開館する。記念館を設立した故斎藤恒民(さいとうつねたみ)さん=同所=の遺族から2017年に寄贈を受けて準備を進めていたが、19年の台風19号や新型コロナウイルスの影響などで昨年秋の開館予定が遅れていた。市教委文化課は「多くの人に遺跡を知ってもらいたい」としている。
同課によると、星野遺跡は、斎藤さんが石器を発見したことをきっかけに、1965年から市教委や東北大が発掘調査を実施。78年まで計5回調査が行われ、旧石器時代の石器や縄文時代の土器、竪穴式建物跡などが見つかった。
記念館は、斎藤さんが私財を投じて85年に設立した。斎藤さんが見つけた石器などを展示していたほか、その時代の植物や動物、生活の様子をパネルなどで紹介していたという。斎藤さんが2007年に亡くなってからは休館となり、遺族が17年に市へ寄贈した。
市は、老朽化した建物の改修などを進め、当初は20年11月の開館を予定していた。台風19号の復旧作業や新型コロナへの対応を優先するなどしたため準備が遅れていたが、今月29日に開館できるようになった。
記念館には出土品や発掘調査時の写真、斎藤さんが収集した石器や資料、市内の他の旧石器、縄文時代の石器など計1300点を展示するという。同課の担当者は「記念館を訪れ、遺跡とともに地域の歴史や文化、自然にも触れてほしい」と話している。
開館は土日、祝日(年末年始除く)で無料。開館時間は午前9時半~午後4時半。
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