鮮やか、べっ甲色 フナの甘露煮、古河で最盛期
茨城新聞
2020年12月27日
古河市の郷土料理で正月に欠かせないフナの甘露煮作りが、市内の甘露煮店で最盛期を迎え、店内に独特の甘い香りを漂わせている。
1897年創業の「ぬた屋」(同市中央町3丁目)は、甘さ控えめでまろやかな味が特徴。秘伝のたれは創業以来、同市諸川の大橋醤油(じょうゆ)店(1845年創業)のしょうゆを使う。今季の生産量は約2・5トンと、例年の7割ほどの見込み。新型コロナウイルスの影響で客足は重いという。
直径約60センチの鍋に素焼きしたフナ約800匹を入れ、水と砂糖のみで約4時間煮込む。たれや水あめなど調味料を加え、さらに約2時間。仕上がると、べっ甲色のフナが鮮やかに輝く。
4代目の野村久男社長(63)は「コロナ禍で年末年始を家で過ごす人も多いと思う。家族で古河の伝統料理を楽しんでほしい」。早朝から深夜までの作業は、大みそかまで続く。
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