遊び場減った子どもたちの交流拠点へ つくばラジコンパークがリニューアル コース拡充、初心者向けも
無線操縦車専門のレースや体験ができる施設「つくばラジコンパーク」が今月、つくば市谷田部にリニューアル開業した。従来のサーキットの拡充に加え、初心者向けのレンタルコースを整え、大人だけでなく子どもも楽しめる場を提供する。運営会社は東京から同所に本社を移転。新型コロナウイルスの影響で遊び場が減った子どもたちの交流の拠点も目指す。
ラジコンパークは、無線操縦車メーカーのヨコモが専用のサーキット「谷田部アリーナ」として1989年に開業。世界大会や全国大会を開く本格的なレース場の立場を築いた。趣味の愛好家や熟練者向けのサーキットを「つくばラジコンアリーナ」とし、初心者向けのレンタル用施設「つくばラジコンランド」を新設した。幅広い年齢層や家族連れなどの利用者を受け入れる。各施設を屋内・空調完備の全天候型とした。
同社はリニューアルを機に同所に本社を移転。鈴木茂樹社長は「愛好家の声をじかに聞いて開発できるのがアリーナの現場。開発部門や本社をアリーナと一体とすることで経営も効率化できる」と理由を語った。
新設したラジコンランド(約700平方メートル)は手ぶらで来場し、子どもでもレンタル料金だけで遊べるのが特徴。無線操縦カーの業界では、本格的な趣味の利用者が減少傾向にある一方、「トイラジコン」と呼ばれる子ども向けの分野は横ばいだという。
新型コロナの影響で在宅勤務が増える中、鈴木社長は「親が家で仕事をして子どもが邪魔者にされたり、外出できずネットゲームや動画サイトに夢中になったりしている」と指摘。「実際の遊び場として、子どもがラジコンを通じてコミュニケーションを取れる。教え合いや競い合いをしながら地域で遊ぶマナーを学ぶことができる」と裾野を広げる意義を話した。
このため子ども向けの企画運営を強める。通常マシンの組み立てには10時間かかるが、8割ほど作り1時間で完成できる形で提供する。操縦技術やノウハウを伝えるアカデミーも立ち上げる。鈴木社長は「つくばのメーカーとして、ものづくり教育や地域活性化も支援していければ」と期待を込めた。
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