「モザイクアートの世界展」 文字、写真並べ作品に 日立・30日まで 体験イベントも

茨城新聞
2020年8月19日

写真や文字を組み合わせて人物や風景を描く「モザイクアートの世界展」が30日まで、日立市弁天町1丁目の市角記念市民ギャラリーで開かれている。コンピューターで多数のこまになる写真などの色合いや濃淡を判断して再構成した作品が並ぶ。期間中は体験イベントも実施されている。

市内では吉田正音楽記念館で3月まで開かれていた「吉田喜代子展」の際、壁面に展示されているレコードジャケット375枚を2組使って、吉田正さんや橋幸夫さんなどの顔を描いた茨城大工学部の矢内(やない)浩文准教授によるモザイクアート作品4点が展示された。

これをきっかけに、市文化・国際課が同ギャラリーでの展示会を企画。矢内准教授と同大工学部の梅津信幸准教授に協力を求めた。同課は「仕組みを知り、面白さを味わってもらうのが見どころ」としている。

会場には矢内准教授の11点と梅津准教授の6点のモザイクアートと合わせ、市出身の洋画家・角浩さんの絵画1点の計18点が展示されている。

梅津さんの「『吾輩は猫である』の文字で浮かぶ夏目漱石」は、小説冒頭部の文章を活用。黒い背景に白と赤の文字の大きさを変えながら、重ね合わせるように配置し、夏目漱石の肖像画に仕立てている。「シーバーズカフェから見る水平線」は、JR日立駅のガラス張りのカフェからの眺めを市内の風景などのカラー写真で構築。近くに寄るとそれぞれの写真が見えるが、離れるとカフェからの眺望になる。

矢内さんの「文字を並べ替えて描かれたライオン」は物理学者・寺田寅彦の随筆「科学者と芸術家」の文章をバラバラにして、画数の多い漢字で濃い部分、平仮名で薄い部分を表現し、ライオンの顔を描き出している。

来場者にはモザイクアートの作り方のサンプルも用意。菓子箱の画像を400個の正方形に分割し、番号に沿って貼り付けると人の顔になる不思議さを体験できる。

期間中はイベントも実施。360度撮影した来場者自身の顔の画像をコンピューターに取り込み、自分の顔のモザイクアートがその場で印刷される趣向だ。これまでに2回行われ、家族連れなどから好評を得ているという。23日に最終回があり、先着50人が500円で参加できる。市は来場者の反応も良いことから今後、第2弾も考えたいとしている。

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