ルリカ、元気でね 日立・かみね動物園のキリン、群馬へ「嫁入り」

茨城新聞
2020年5月19日

 ルリカ、元気でね-。新型コロナウイルスの影響で休園中の日立市かみね動物園(同市宮田町5丁目)で15日、雌のキリン「ルリカ」(1歳)が群馬県桐生市の桐生が岡動物園に「嫁入り」するため、搬出作業が行われた。
 
 ルリカは2018年6月、父シゲル(16歳)と母キリナ(10歳)の第2子として生まれた。誕生時は両後ろ足が開いた状態で立ち上がることができず、約1週間は飼育員が付き添って人工哺乳を行ったが、その後は問題なく成長した。現在は体長約3.4メートル、体重約510キロになった。
 
 母親のキリナは桐生が岡動物園から借り受けており、繁殖を目的とした動物貸借契約に基づき、ルリカは生まれた直後から搬出が決まっていた。同園で雄のコタロウ(10歳)が「お嫁さん」として迎え入れる。
 
 ルリカは搬出用の箱に慣れるため、1カ月ほど前から箱に入る練習をしてきた。もともとは臆病な性格だったが、最近は物おじしなくなったという。
 
 搬出作業は非公開で行われた。かみね動物園によると、同日午前8時半ごろから作業が始まり、箱に入ったルリカをクレーン車でつり上げ、トラックに乗せた。近くで両親が見守る中、総勢約20人のスタッフが集まり、手を振って見送った。同日午後2時40分には桐生が岡動物園に到着した。
 
 担当飼育員の中村祐輝さん(33)は「ここまで元気に育ってくれてよかった。さみしいが、お母さんの故郷でも頑張って」と願いを込めた。

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