心を癒やす「西行桜」 大田原 光丸山法輪寺で見頃

下野新聞
2020年3月26日
見頃を迎えた西行桜

 【大田原】天台宗の古刹(こさつ)、佐良土の光丸山法輪寺で、市天然記念物のシダレザクラ「西行桜(さいぎょうざくら)」が見頃を迎え、境内を彩っている。

 とちぎ名木百選に選ばれている「西行桜」は高さ約12メートル。奥州行脚の際に同寺を訪れた西行法師が「盛りには などか若葉は今とても 心ひかるる糸桜かな」と、若葉となった桜のはかなさを詠んだと伝わる。当時から800年以上の時が流れ、現在の桜はひこばえが育ったものという。

 「開花は例年より1週間ほど早い。今週末には満開になりそう。あと2週間ほど楽しめる」と若水淳譲(わかみずじゅんじょう)住職(89)。約300株のミズバショウや赤いミツマタも咲き、桜と競演している。

 那須町高久丙、村上勉(むらかみつとむ)さん(68)、清子(せいこ)さん(68)夫妻は「新型コロナウイルスの感染拡大で暗い気持ちになりがちな中、花を見ようと訪れた。きれいな桜と出合うことができ、感動しました」と春を味わっていた。

 (問)同寺0287・98・2606。

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